九州1周1人旅 第9日最終回 - 2023.03.07 Tue

3月6日(月) 泉大津から京都へ
昨日のフェリー、今朝はまた明石海峡大橋までやって来た。月が明るい。
大阪は泉大津港に到着後、高速道路で大阪市内を抜けて、京都に向かう。神戸の道はよく知っているが、大阪の高速は初めてなので、緊張する。東京の首都高速のように、大都会のビルの中を抜けて行くが、景色を観たくても運転に集中するので見れないのが残念。
渋滞にならないうちに順調に走ったので、午前中はやめに京都のホテルに到着。今回の九州の旅は、ここ京都の一泊ですべてが終了する。

車をホテルに置いて、京都市内をバスや地下鉄を利用して、少し散策する。まずは以前から行きたかった二条城だ。

広大な敷地の二条城は全域が世界文化遺産であり、国宝や重要文化財で構成されている。
まずは正門に当たる東大手門から入場する。

次に二の丸御殿に向かうが、その正門に当たるのが、絢爛豪華な彫刻の「唐門」だ。

そしていよいよ二の丸御殿に入る。数々の大広間や廊下、将軍の威厳を示す虎や豹、松など狩野派の障壁画が見事だ。残念ながら二の丸御殿内は撮影禁止だ。大政奉還が行われたあまりにも有名は大広間には、当時の様子を再現するように、人形が配置されている。

広大な庭、そして小堀遠州によって改修された書院造庭園。


二条城は徳川家の栄枯盛衰と日本の長い歴史を見つめてきた貴重な歴史遺産として、見ごたえたっぷりである。特に御殿内部の見学は必須である。
続いては地元の人に道を聞きながら、徒歩で四条烏丸に向かう。
有名な錦市場、全国の市場は廃れつつあるのに、ここの市場は大混雑。特に外国人観光客が目につく。

ちょうどお昼時で、市場内のお店でにしんうどんを頂く。とても上品な味。

さらに歩いて四条大橋を渡り鴨川河川敷あたりにやってくる。

そしてやって来ました八坂神社、ここには着物を着た若い観光客でいっぱい。




さて、本日最後は北野天満宮に向かう。京都市内観光はバスが便利だが、どの路線に乗るのか、よく調べておかないといけない。幸い、ボランティアのおじさんが親切に教えてくれる。

今回は九州の太宰府天満宮に行ったのに、本家の北野天満宮に行かないというのは道真公に申し訳ないので、やって来ました。


梅も満開の境内でした。




京都は見るべきところが多すぎる。天気が良すぎて、暑い中、かなり歩き続けたので、今日はこれで終了。
タクシーでホテルに帰る。本日は兄夫婦が神戸から京都に遊びに来ているので、ホテルで合流。夕食を一緒にゆっくり楽しんだ。
以上、今回の旅は全てスケジュール通り、無事終了。
翌日は一気に京都なら埼玉の自宅に帰る。
9泊10日の九州一周車の旅。フェリーも使ったが、走行距離はなんと2253kmにもなった。勿論自己新記録。
さすがに今回は疲れましたが、年の割にはいいチャレンジが出来ました。N-VANも本当によく走ってくれました。
お疲れさんでした。
九州1周1人旅 第8日 - 2023.03.05 Sun

3月5日(日) 湯布院から別府へ
湯布院のキャンプ場での一夜、外は寒いけれど、電気毛布など温かい準備をしていたので快適に眠れた。標高1584mの湯布院岳が良く見える。
キャンプ場も標高が高いので、氷点下だったのか、車には夜露の凍った跡がある。

今日は九州最後の訪問地、別府に向かう。キャンプ場を早めに出発して別府市内に入り、ちょっとおしゃれなマクドナルドで朝食を摂りながら、地獄めぐりをするための順路を計画する。
まずは海地獄の近くの駐車場に車を止めて、見学を始める。最初は地獄の中でも一番の広さを誇る「海地獄」。コバルトブルーが綺麗な地獄だ。


そして泥の中からぷくぷくと空気が噴き出すような「鬼石坊主地獄」。

酸化鉄、酸化マグネシウム等を含んだ赤い泥の「血の池地獄」。

その他、青みを帯びた白色をしている「白池地獄」「かまど地獄」、ワニのいる「鬼山地獄」など、典型的な観光客になって、パンフにスタンプ押しながら次々と巡る。勿論温泉卵も試してみる。

快晴に恵まれて気温も高くなり、色々散策していると汗をかくほどだ。ちょっと駆け足で見物し終えた後は、ゆっくり露天風呂を楽しみたくて、街の高台にある明礬温泉にやって来た。
ここの露天風呂、最高に気持ち良い。空気は冷たくて、陽がたっぷりと降り注ぐ。

こうして色々と回ってみて、さすがに別府の温泉は凄いと感じた。町中そこらで湯の煙が立ち込め、湯量や温度、温泉地としての全体のスケールが大きい。
以上で九州の旅は終了だ、これから新門司港のフェリー乗り場まで向かう途中に、国東半島に少し寄ってみた。

海沿いを走っていると、天気も良くて、もう完全に温かい春がやって来た感じだ。菜の花が咲き、つくしの姿が見える。

途中の高速道路のサービスエリアで、最後の豚骨ラーメンを頂く。

夕方の新門司港では、大阪の泉大津似向かうフェリーが出航の準備中。実は予約していた神戸行きのフェリーがエンジントラブルのため、大阪行きの、この船に振替となった。そのためラッキーなことに運賃は半額ししてくれた。今回はホテルも全国旅行支援割引が数多く適用され、財布にやさしい快適な旅となった。


フェリーは夕方出航し、一路大阪に向かう。
九州1周1人旅 第7日 - 2023.03.04 Sat

3月4日(土) 阿蘇から湯布院へ
宮崎県高千穂から阿蘇へと向かう。旅は天気次第で気分が変わるが、今日はまずまずの薄曇りの天気だ。
阿蘇に入る手前で、白川水源という水の綺麗な場所があると調べたので、寄ってみることにした。

まあこんな感じで、特にどうということは無し。忍野八海のような場所を想像したが、少し期待外れだった。

水は綺麗だが周囲の景観は寂れた感じ。この場所には誰もいない。
ではということで、ここから見える、あの雄大な阿蘇山に向かってドライブを続ける。

阿蘇パノラマラインと呼ばれる道路をぐんぐんと登っていく。運転中の景色も良くて、時々止まっては景色を眺める。


そして到着したのは中岳近くにある駐車場あたり。噴煙を上げる中岳が見えるが、火口周囲1キロは立ち入り禁止だ。


そこでUターンして草千里ケ浜に向かう。
草千里の雄大な景色だが、季節的に枯草の色となっている。夏頃に来ると一面の緑で、もっと気持ちが良いんだろうなと想像する。実はここでもドローンを飛ばして空撮を考えたが、阿蘇山一帯は全面的にドローンの飛行禁止だ。なぜこんな広いところで禁止なのか。いったい何処なら飛ばせるのかと疑問に感じるが、国立公園なので仕方ないのか。

草千里ケ浜では火山や地形に関する様々な資料が展示されている。

ここの駐車場に車を止める時、係の人に「今日は野焼きが予定されてます」との案内があった。この季節恒例の行事のようだが、運よくこれから駐車場内で見学が可能とのこと。なので直ぐに出発せずに暫く見学することにした。

駐車場内は観光客以外に、続々と野焼きの関係者や消防、警察が集まってくる。

そしてボランティアを含めた野焼き関係の人たちの朝礼が始まった。「くれぐれも安全に、ケガの無いように注意しましょう」とか。

朝礼後、関係者は野焼き用の燃料を積んだ何台もの軽トラックに分乗し、広い草原に入っていった。そしてしばらくすると方々から煙が見え始める。空にはヘリが安全監視のために周回し始めた。

炎は結構駐車場近くにまで迫ってくる。


あたり一面に灰が飛んでくる。


そんなわけで、大変貴重な阿蘇の野焼きを間近で見学することが出来た。場合によっては野焼きのために、このあたりが一斉に通行禁止になることもあり、今日はラッキーだった。
その後、展望の良いとされる大観峰とかにも寄ってみたが、春のこの時期の霞と阿蘇周辺での野焼きのせいで、今一つすっきりとした景色が見れなかった。
次は阿蘇山周辺から北上して、今夜の宿泊地「湯布院」に向かう。
湯布院では名湯に入りたかったので、事前に調べておいた「夢想庵」というホテルの露天風呂に入った。残念ながら露天風呂の景色は撮影禁止のため、写真無し。

ホテルの駐車場からは湯布院岳が良く見える。ここ湯布院も周辺の野焼きのせいで、何となく煙っている。

お風呂に入ってさっぱりしたところで、由布院観光だ。駅前に駐車して少しの間散策する。
由布院駅は新しく、モダンな建物。水戸岡鋭治さんのデザインで有名なJR九州の車両。たぶんこの電車もグラフィックは水戸岡さん。

湯布院の街はかなり観光客も多く、特にアジアからの外国人観光客が目につく。町は何となく旧軽井沢銀座のような賑わい。


にぎやかな通りをかなり歩くと金鱗湖に到着するが、特に見るべきものもない。軽井沢の雲場池の方がずっと良いかな。
今夜は湯布院に宿泊だが、土曜日に一人だとホテルが一切予約できず、というかシングル料金の設定が無いため、確保できなかった。仕方が無いのでオートキャンプ場に泊まることにした。

このキャンプ場、施設も新しく、土曜日ともあり、多くの家族連れで賑わっていた。
ちゃんと温泉設備もあったので、嬉しい。

ということで今日の旅は終了。

九州1周1人旅 第6日 - 2023.03.03 Fri

3月3日(金) 熊本から高千穂峡へ
旅も後半に差し掛かった。
本日も好天に恵まれ、熊本市内を出発するが、そのまえに朝の散歩。
この桜町バスターミナル周辺は大都会だ。まずは日本最大級のバスターミナルがあるこのビルは、大型商業施設となっていて、大ホール、ホテル、TOHOシネマ、その他ブランドショップとレストランが入る人気スポットになっている。

その向かい側には従来からあるアーケードの商店街。そしてこの桜町の地下には大駐車場があるが、広すぎて自分がどこに止めたかわから無くなるぐらいで、注意が必要だ。

散歩の途中で、あるギャラリーの展示案内が目に入った。そうそう、この肥後地方は隣の長崎の島原の火山噴火によって、現地は大変だが、その噴煙や火山灰が熊本にやってくるということで、昔から「島原大変、肥後迷惑」という言葉が定着していたと、長崎の友人に聞いた。

長崎から熊本へと移動して来た印象。長崎は少し衰退、熊本は発展、というところか。今熊本は半導体の拠点として新たに注目を浴びつつあり、何か活気が感じられる。
さて、熊本市内を出発して、のどかな山間地のドライブとなる。車は土曜日なのにほとんど見当たらない。
暫く走ると「道の駅 清和文楽邑」という看板が目に入り、気になって寄ってみた。

ここには人形浄瑠璃の「清和文楽」の展示館と劇場がある。「清和文楽」は江戸時代にこの地を訪れた淡路の人形芝居一座から浄瑠璃好きの村人が人形を買い求め、技術を習ったのが始まりと言われている。
展示館内には予想以上に充実した人形や資料が並べられている。



そして、展示館の隣には劇場が供えられ、毎年200回程度の公園が行われるなど、熊本県の重要無形文化財に指定されている。

しかしこの静かな村で、人形浄瑠璃が170年以上楽しまれているとは、かなり文化度の高い品格のある山里だなと感じた。他に、さして娯楽が無いことが、この人形浄瑠璃を楽しむことにつながっているのかも知れない。
このエリアは「山都町」と呼ばれ、自然が豊かだ。滝や吊橋があるとの看板を頼りに、車を止めてハイキングする。
さっそくありました。結構立派な吊橋が。

そして吊橋からは見事な滝が見える。

誰も人がいないのがもったいないくらいの景色でした。
また、ここから遊歩道を続けて歩いていくと、「通潤橋」という石橋にたどり着く。

この石造りのアーチ橋は170年以上前に建設されたもので、この地域の水田に水を送るための水路となっている。そして橋の中央には放水口があり、年に何度か土砂を吐き出すために放水が行われるらしい。120メートル以上の高さから放水される姿を見たいものだ。下の写真は山都町のパンフレットにある放水の様子だ。

文楽と言い、滝や吊橋、そしてこの通潤橋、見所の多い山都町、何も知らなかったけど気に入りました。
そして旅を続けて、いつの間にか宮崎県に入る。さっそく道の駅の観光案内所に入り、観光ポイントや駐車場情報を仕入れる。
まずやって来たのは有名な高千穂峡。事前に調べた駐車場は、とても便利なところにあった。車を降りて、すぐに撮影に入る。
これが、誰が撮っても同じ写真になる高千穂峡の景観だ。というのもみんなが撮る場所は限られているからだ。

ボートに乗るのは1時間待ちだそうだ。ここでも外国人観光客(特に韓国)が多い。
見事な柱状節理の岸壁。

その後、少し車を走らせて、国見ケ丘へ。標高513mのこの丘からは、西に阿蘇の五岳、北に祖母の連山、東に天香具山、高天原、四皇子峰や高千穂盆地、眼下に五ヶ瀬川の渓流が一目で見渡せる。写真は明日向かう阿蘇の山並みだ。


旅は徐々に、またダイナミックになってくる。
今夜泊る国民宿舎の近くに高千穂神社があったので引き続き旅の無事を願い、参拝する。


本日は70km程度の短い行程。

九州1周1人旅 第5日 - 2023.03.02 Thu

3月2日(木) 天草から熊本市内へ
今日は良い天気だ。気持ちよく旅を続けられる。
天草の古いホテルでの朝食は典型的な旅館のそれ。最近はホテルのブッフェ方式の朝食が多い中、こういう昔ながらも良い感じだが、ここのは今一つでした。

上天草市の景色の良い複数の橋を渡って、車はいよいよ熊本県の宇土半島に入り、熊本市内に向かう。途中の三角西港の入り江にて。島の断崖が迫り、入り組んだ地形がなかなか良い。

そして綺麗に整備された海沿いの公園にはこんな立派な洋館が建っていた。

これはラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が長崎からの帰途に立ち寄り『夏の日の夢』と題した紀行文の舞台となった洋風旅館、「浦島屋」だ。この地域には珍しい洋風建築で、ホテル廃業後に解体して中国の大連に移築後、またここに復元再建されたものだ。周辺からの景色がとても良い、静かな公園だ。何げなく寄ったところに貴重な文化的遺産があるので、旅は面白い。
引き続き国道57号線を熊本市内に向けて走っていると、左手の島原湾越しに、遠く雲仙岳、(平成新山)が見えた。昨日は雲に隠れて全然見えなかった平成新山を遠くから、しかしダイナミックな景観で、その姿も見せてくれたので感謝。

そうこうしているうちに車はどんどん市街地に入って行き、とうとう熊本市内に到着した。
この街には路面電車が走っている。神戸の昔の市電を思い出して、懐かしい。交差点に入ると×印や+印の見慣れない信号がある。信号待ちで、直ぐにWEBで調べたら、路面電車用の信号と判明、車は気にしなくて良かった。

路面電車のデザインは様々で、レトロな雰囲気の車両もあるが、この車両は「ハイデルベルグ号」だ。熊本市では、ドイツ・ハイデルベルク市と友好都市関係にあり、友好都市締結25周年記念の「ハイデルベルク号」を運行している。ハイデルベルクの街にも城があり、河がありと熊本市と似通っているのだろう。トラムのある街はいい雰囲気を出しているね。

さて、午前中早めに到着したので早速観光を始める。最初は「水前寺公園」だ。水前寺公園というのは水前寺というお寺があるのかと思ったら違ってて、出水神社、水前寺成趣園が正式名で神社の庭園という造りになっており、鳥居をくぐり参道を抜けて公園内に入る。

園内はさすが有名な庭園とあって、手入れがすごく行き届いた名園だ。


見事な松が随所にあり、庭園に詳しい人はじっくり散策を楽しめるだろう。


綺麗な湧き水の池にはたくさんの鯉、鯉の餌を狙って鳩が寄ってくる。


天気も良いので、とても快適な散策を楽しむことが出来た。
復活の熊本城
午後からは熊本城の見学だ。慣れない土地なので、熊本城に便利な駐車場の位置がわからず、時間がかかった。
結局少し離れた場所に駐車し、城に近づいていく。周辺は広い公園になっており、遠足の子供たちが大勢いる。

熊本城は昭和35ごろに鉄骨鉄筋コンクリート造で天守など再建されていたが、平成28年熊本地震で被災し、震災復興のシンボルとして復旧作業が進められ、令和3年3月に天守閣全体が復旧したそうだ。地震による甚大な被害を受け、その復旧・復元は、長い年月と莫大な費用を要することが見込まれていたため「復興城主」という、一般からの寄付金を募る活動も行われている。
見学に当たっては、特別見学ルートのデッキが整備され、バリアフリーで見やすいように配慮がされている。
ここは数寄屋丸二階御広間と言われる建物で、ここには震災による被害が残っている。

現在の見学用のルートはこのようにしっかりしたデッキとなっている。多分、今までと違った角度から見渡せるようになっていて、このデッキの上から、引き続き行われる復興の過程を見ることが出来るのだろう。

修復されて美しい姿を見せる天守。


新たな天守閣は最新技術による耐震補強やバリアフリーが取り入れられるとともに、展示内容や内装も全面リニューアルされたそうだ。

エレベーターで天守まで行けるのは実は有難い。


ということで、熊本城、素晴らしい城だ。天守は復旧したが、周辺、石垣の復旧など、作業はまだまだ継続される。

本日は熊本市内のホテルに泊まり、地元のお店で夕食を取る。本日の走行距離は短めだったので、観光の時間が多めに取れた。

九州1周1人旅 第4日 - 2023.03.01 Wed

3月1日(水) 雲仙から天草へ
友人宅ですっかりお世話になり、朝食を頂いてから出発だ。今日は雲仙から天草を巡る。
埼玉を出発してから3日間ずっと好天が続いたが、今日はあいにく曇り空だ。
諫早から山道に入り、ダイナミックに曲がりくねったドライブウエイを通り、雲仙にやってきた。

周辺には寂しいことに、誰もいない。雲仙地獄めぐりといっても何か所あるのか事前によく調べていなかったので判らない。
とにかくあたり一面硫黄のにおいと地面から噴き出す蒸気の煙がすごい。まさに地獄の様相だ。


このあたり、昨年の台風の被害などで、遊歩道の再整備が必要なようだ。
実は今日は天気さえよければ雲仙周辺でドローンによる空撮を予定していた。しかし目的の普賢岳や平成新山が雲に隠れていて、その姿を見せてくれない。せっかく事前に国交省の飛行許可、雲仙市観光局の許可を得ていたのに残念だ。
気を取り直して雲仙から南島原に向かう。島原には母方の親戚が居るのだが、スケジュール的に無理もあり、寄らずに旅を続ける。
やってきたのは口之津の港。ここからいよいよ熊本県の天草にフェリーで渡る。およそ30分の船旅だ。

島原鉄道のフェリーは特に予約も必要なく、およそ1時間に1本のダイヤで運行されている。今日は平日なので乗客も少ない。
実はこの口之津港は「イルカウォッチング」が有名らしく、船に乗ってイルカを近くで見ることが出来るらしい。WEBサイトで調べたが、せっかくだから見に行けばよかったと今後悔している。
写真は「南島原イルカウォッチング」WEBサイトより。

しかしこのフェリーに乗っている短い間に何度か水しぶきが上がるのを見て、カメラを向けてみると、ちょっと見えました。イルカさん。

上手く撮れなかったけど、何度か見れたので感激。船と一緒に泳いでいるので可愛いですね。
というわけで島原半島から対岸の鬼池港に到着。ここからは熊本県の天草市だ。この島を左回りに天草西海岸サンセットラインを通り、島の散策を続ける。
途中でお昼になったので、海の傍の食堂でレタスたっぷりの天草ちゃんぽんを食べる。

途中で天草の綺麗な海をドローンで空撮しようと思って、ここでも事前許可を取っていたが、海岸に出ると風が強く、またしても撮影を断念する。ドローンもいつでも撮れるわけでもなく、自然相手だから天候だけはどうにもならない。
引き続き海岸沿いを走って、大江教会にやって来た。このエリアは世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」となっている。坂道を登って丘の上にこの教会は建っている。キリスト教の長い弾圧の時代から明治の解禁へと苦難の時代を乗り越えて、素晴らしいロケーションに大江天主堂が築かれた。

ここにも誰一人として観光客が見当たらない、静かな場所だった。周辺のいかにも日本的なのどかな村の景色の中に、突然と西洋の教会があるといった感じだが、なかなかいい場所である。

そしてさらに南下すると静かな入り江の集落の中にもう一つ、津崎教会がある。

近くに車を止めると、町のボランティアの方が親切に案内してくれた。教会の傍は海。
ほんとうに波静かな入り江だ。

対岸から見た津崎教会。山には神社、海には教会という独特の雰囲気の集落である。

今日の行程は以上で終了。本来なら天草の道の駅で車中泊を予定していたが、併設の日帰り温泉が休業日のために風呂に入れない。急遽近くの天草温泉にある古いホテルを見つけて、今夜の宿とした。
今日の走行距離は186km。

九州1周1人旅 第3日 - 2023.02.28 Tue

2月28日(火) 太宰府天満宮へ
フェリーは予定通り朝の7時に新門司港に到着した。今日も快晴の様子できれいに日が昇る。

阪九フェリーの大阪行きの「ひびき」が停泊している。

九州上陸後の最初の目的地は太宰府。北九州の都会地は寄らず、一気に高速を使って「太宰府天満宮」へ。

さだまさしのファンでもないが、名曲「飛梅」は太宰府天満宮のガイドになるような歌。その歌詞にある通り、
心字池にかかる三つの赤い橋、天神様の細道、裏庭を抜けたお石の茶屋、焼きたての梅が枝餅、お御籤、飛梅と見て回る。
ちなみにお御籤は中吉。旅行については「障りなし、盗難に注意せよ」と道真公のアドバイス。

菅原道真は学問の神様と言われるだけに、また太宰府天満宮が全国天満宮の総本社とも仰がれているだけに、この受験シーズン、合格を祈願する学生さんと思われる若い人たちが多い。

そして目についたのは韓国人と思われる観光客の多いこと。九州は確かに韓国に近いということが良く理解できる。

そして有名な飛梅。一説によると梅と松が飛んだが、松は途中で力尽き、神戸の須磨に根を下ろしたため、須磨区に飛松という地名が出来たとか。また須磨区の板宿は大宰府に左遷される菅原道真のために、里人が板囲いの宿を建ててもてなしたので、板宿の地名がついたといわれている。神戸人にはなじみの街だ。



長崎は大浦天主堂、グラバー園、平和公園
参拝を終えてもまだ午前中、さあこれから長崎だ。再び高速に乗って長崎に向かう。道も空いてて快調に走る。高速を降りで直ぐに長崎市内に入る。まずは大浦天主堂の駐車場に車を入れる。
長崎のシンボル、国宝大浦天主堂。


建物内部は撮影が許されていない。天主堂隣には旧神学校や大司教館の建物があり、現在は博物館として様々な展示物があり、信仰の自由を獲得するための様々な苦難の歴史が示されている。


大浦天主堂のすぐ近くにはグラバー園がある。
長崎には神戸と同じく外国人居留地があり、このグラバー園も長崎港を見下ろす丘陵地に複数の洋風建築が立ち並ぶ。神戸の北野町の洋館よりも、ずっと綺麗に保存されているように思う。また長崎港を見下ろすこの立体的な地形、入り組んだ海などロケーションが素晴らしい。
この建物は旧三菱第2ドックハウス



そして最も気に入ったのは旧ウォーカー氏の住宅で、4部屋しかない小さな住宅だが、その部屋もそしてベランダもとても心地よさそうに見えた。


丘陵地に点在する建物を散策していたら、この快晴の中、汗をかくほどだった。
初めての長崎ではどうしても見ておきたい場所がもう一つあり、移動する。
車を広い地下駐車場に入れて、地上にある「平和公園」にやってきた。

この原爆投下中心地にある平和記念像と各モニュメント、そして原爆資料館をどうしても訪ねてみたかった。
このモニュメントが爆心地で上空500mで原爆が炸裂した。

原爆資料館では修学旅行の学生さんたちに交じって展示を見学。
この原爆は北九州に落とす予定が視界不良で、晴れていた長崎になった。原爆の被害は、たまたま広島や長崎だったが、当時の状況からすると東京湾、横浜、神戸など何処に落とされても不思議ではなかったと思うと、被災地の運命の恐ろしさを感じる。

平和記念像が快晴の空にまぶしい。

重い気持ちになって、長崎のスケジュールは終了した。
今日は懐かしい会社時代の友人宅にお世話になるため、諫早市に向かった。
途中干拓の為の水門の開閉問題で有名な諫早湾を眺めながら、景色の良いのどかな道を通って友人宅に到着した。
今回の旅で、長崎の友人と飲もうと思って連絡を取ったが、ぜひ泊ってほしいとの言葉に甘えて、お世話になることにした。
大歓迎を受けて、お酒とご馳走を頂き、夜遅くまで昔話に花が咲いた。

長崎名物皿うどんもたっぷりと。

友人宅にはこんなオシャレな居酒屋のような空間がある。写真を掲載させていただく。歓待して頂いてどうもありがとう。

本日のルートは以下の通り。

九州1周1人旅 第2日 - 2023.02.27 Mon

2月27日(月)神戸から瀬戸内海フェリーの旅
今朝は早くからホテルを出発、高速に乗る。自宅を出て550kmぐらい走らないと目的地のフェリーターミナルに到着できない。なので朝食は新東名のSA内にある吉野家で簡単に済ませる。まあこんな感じで500円程度とお手頃価格で、一人旅のいかにも素朴な食事。

せっかく神戸に向かうので、須磨区にある施設に寄り、母親と面会する。母は予想以上に元気そうで一安心。短い面会を済ませてフェリーターミナルのある東灘区の六甲アイランドに向かうが、その近くの「白鶴酒造記念館」に立ち寄る。

ここに寄れば灘の美味しいお酒が、しかも此処でしか買えないお酒が手に入る。実は明日の九州では友人の家にお邪魔することになっており、何か神戸らしいお土産が欲しかったからだ。

記念館内の昔の酒造りの展示を見ながら、お土産の酒を購入後、いよいよ六甲アイランドのフェリー乗り場に向かった。
ほとんど人気のない埠頭の乗り場には、想像以上の大型船「やまと」が停泊中。全長195m、16,292トンだ。

乗船前に窓口で車検証を提示したり、全国旅行支援の割引申請をしたりと一通りの手続きを完了。乗船の案内を待って駐車場にて待機する。

今回利用するのは「阪九フェリー」で、神戸から北九州の新門司までの約460kmを結ぶ大型フェリーで、神戸発18:30、新門司港には明日の朝7:00到着だ。

さあ、いよいよ乗船。ワクワクするね。

車を船内に駐車後、1泊分の荷物を纏めて船内に入る。今回予約したのは船内の7階部分にある「デラックスシングルルーム」だ。部屋は狭く窓もないが、テレビがあり、一人なら十分快適だ。


これでチェックイン完了。しばらくの間船内を探索する。まずは目につくのがロビーの空間。豪華客船風の演出がクルーズ気分を盛り上げてくれる。

レストランは6階にある。メニューも豊富。そして船内には至るところに展望スペースやソファー、テーブルなどがあり、たとえ狭い船室を予約したとしても居場所は多く、自由に過ごせるのが良い。

売店では何でも揃う。今回は売店での買い物やレストランでの食事に全国旅行支援のクーポンが使えた。

決め手は大浴場。このお風呂が有るか無いかで旅の快適さが違う。込み具合は入り口のランプで表示されるのが有難い。

船の中とは思えないほどの充実ぶり。

とどめは露天風呂だ!

18:30に出航したフェリーは神戸の街、神戸空港などを見ながら、途中、19:30に明石海峡大橋を、22:45に瀬戸大橋を、01:05に来島海峡大橋を通過する。どの橋も世界級のスケールだ。19:30に7階のデッキに出て早速ダイナミックな明石海峡大橋を撮影。かなり風があったが寒さを忘れさせてくれる景観だ。船旅最高。


うーん、第2日はフェリーの紹介、PRに終わってしまった感がある。
昨日の出発からからフェリーに乗るまでのコースは以下の通り。少し疲れたので船内ではゆっくり眠れそうだ。

いよいよ明日は九州。旅は始まったばかりだ。